みなさんは「財産評価」という言葉を聞いたことがありますでしょうか?
読んで字のごとく、「財産の評価」を意味する言葉です。
しかし、いったいいつ、どのような財産を評価することを「財産評価」と呼んでいるのでしょうか?
今回はこの財産評価について、詳しく解説します。

結論から言うと、一般的に財産評価と言う言葉は「相続」の際に用いられる言葉です。
人が亡くなると、その故人が被相続人となり、その遺族が法定相続人となりますよね。
簡単に言えば、故人の保有していた財産を遺族が引き継ぐわけです。
遺言などがあればそちらが適応されますのでしっかり確認してください」。
遺言についてはこちらを参考にしてください。)

ではどうしてそのような相続が発生した際に財産評価が必要となるのでしょうか?
その理由は、被相続人が、さまざまな財産を残して亡くなることが一般的だからです。
銀行預金や車、不動産、株式などなど、さまざまな遺産がありますよね。
とくに不動産はその価値が流動的です。

たとえば被相続人が保有していた土地のそばに高速道路が開通し、被相続人がその土地を購入したときの価格より価値が暴落することもあります。
逆にその街の地価が全体的に向上し、購入時よりも遥かに高騰する可能性もあるのです。
単純に景気に左右されるだけでなく、さまざまな要因によって不動産の価値は流動的に変化するのです。
つまり、被相続人が1000万円で購入した土地だから、相続の際にも1000万円の価値のある土地として扱うことはできないのです。
その時その時で変化する不動産の時価を、専門家に評価してもらう必要があります。

しかしなぜ、相続の際にはそのような明確な財産の価値を評価する必要があるのでしょうか?
その理由となるのは、主に「遺産分割協議」と「相続税」です。

まず遺産分割協議についてですが、これはその名の通り、被相続人の遺産を法定相続人で分け合うさいに、だれがどのくらいの遺産を相続するのかについての話し合いになります。
日本の法律では「法定相続」という制度がありますので、それに則って遺産分割することももちろん可能です。
しかし法定相続は血縁によって分割の割合が決定されてしまっているので、実際の被相続人との関係性などを考慮すると不平等な分割となってしまうこともあります。
ずっと被相続人を介護していた息子と、介護をまったくしていなかった娘とでも、法定相続に則って相続を行うと同じ金額を相続することになってしまうのです。
故に実際の相続では、法定相続人同士で遺産分割協議を行い、誰がどの程度の財産を相続するのか、実際の関係性などを加味して具体的に決定することが一般的なのです。
この話し合いをする際に、遺産の価値が不鮮明では話になりませんよね。

そしてこの遺産総額が明確になることによって、相続税の額も決定されます。
相続税は遺産総額3600万円まで、最低でも免税となります。
「基礎控除」という制度があるからです。
3000万円に600万円を法定相続人数でかけた金額まで、相続税が控除されるのです。
つまり、かなり高額な遺産総額の相続でなければ相続税はそもそも発生しません。
基礎控除は手続きなども必要ありませんので、基礎控除で相続税が0円となる場合であればそもそも相続税の申告が必要ないのです。

相続についてhttps://support-sozoku.com/souzokuzei/

しかし、前途の通り、不動産などは流動的に価値が変化していますよね。
1000万円程度だろうと思っていた土地が、じつは2000万円まで時価が高騰していた、というケースもあり得ない話ではありません。
このような遺産の時価変動によって、遺産総額が想定していたよりも高額となっており、基礎控除を超えてしまっていた、というケースは実際に存在しています。
そうなると知らなかったでは済まされませんよね。
相続税の申告漏れとなります。
悪意はなくとも、ある意味で「脱税」になってしまうのです。
追徴課税が発生してしまう可能性もあるでしょう。
このような相続税を巡る税務署とのトラブルを回避するためにも、あらかじめ財産評価をしっかりと行っておき、相続税が基礎控除を上回っているのか、下回っているのか、ハッキリさせておくことが重要なのです。

そしてさらに問題となるのが、不動産に関しては鑑定評価額と相続税評価額が同一ではないというポイントになります。
不動産鑑定士などによって土地の時価を割出してもらうことは重要ですが、これをそのまま相続税の申告に用いることは原則的に認められていないのです。
不動産の鑑定評価額と相続税評価額とでは計算方法がことなり、特殊な不動産でない限りは相続税評価額の計算が適用されます。

財産評価を行う際には、こういった難しい問題をクリアしなければならないことが多々あります。
遺産総額が高額になる見込みがあればあるほど、財産評価も複雑なものとなってゆくのです。
そうなると素人が行うにはあまりにもハードルが高くなります。
間違いのない遺産分割や相続税計算を行うためにも、高額な財産評価は自分で行うのではなく、不動産鑑定士や税理士、行政書士、司法書士、弁護士といった専門家に相談し、正確な財産評価をしてもらうのがおすすめなのです。