貸宅地の財産評価

遺産総額が高額になる相続の場合、土地の財産評価が必要となることは多いですよね。
しかし同じ土地の財産評価であっても、その土地が自用地なのか貸宅地なのかによって評価額は変わってくるのをご存知でしょうか?
今回の記事では主に貸宅地の財産評価について解説します。

まず「そもそも貸宅地とは何か?」という部分ですが、これは簡単に言うと「人に貸している宅地」です。
自用地と言うのは、その名の通り自分が所有し、自分だけが利用可能な土地ですよね。
これに対し貸宅地は人に貸している土地になりますので、所有者は自分であっても使用権は貸している相手にも発生しています。
たとえば「自分以外の誰かにその土地を貸していて、その誰かが家を建てている」というケースがこれに該当します。

ではなぜ自用地と貸宅地で財産評価額が違ってくるのか、についてですが、これは簡単に言うと「貸宅地は立ち退き料を含めて計算する必要があるから」という理由になります。
たとえば、家が建っている土地を更地にすることを考えてみてください。
その土地が自用地、つまり建物も自分の所有物であれば、建物を自分で壊すだけで済みますよね。
土地も建物も自分のものですので、どうしようが自分の自由です。

しかし建物が自分のものではない場合は、話が違ってきます。
いくら自分が土地の所有者だからといっても、「この土地を更地にすることに決めた。だから出ていけ」とは言えませんよね。
倫理的に考えて、強引に住民を追い出して建物を壊すなんて、言語道断です。
法律的にも家の所有者には「借地権」という権利があります。
仮にこの借地権を無視して勝手に建物を壊した場合、たとえそれが地主であろうと立派な権利の侵害ですので、犯罪行為となります。
話し合って然るべき金額の立ち退き料を支払って立ち退いてもらった後に、建物を壊し更地にする必要があるのです。

つまり貸宅地の財産評価というのは、この立ち退き料の分を自用地としての財産評価額から減額した金額となるのです。
故に結果として、貸宅地の財産評価額は自用地のそれよりも安いのです。